コンブを水, 水+醤油 (25%), 水+酢酸 (1%), 水十醤油 (25%) 十酢酸 (1%) の各浸漬液で0.5 ~ 3時間加熱し, 浸漬液へ溶出するアルギン酸塩量, 藻体中の水溶性アルギン酸塩量およびそれらの平均分子量を液体クロマトグラフィーで測定した. (1) 水, 水+醤油, 水+醤油+酢酸, 水+酢酸の順で浸漬液中のアルギン酸塩量が多くなった.また, この順で平均分子量は小さくなり, 水+酢酸で3時間加熱すると浸漬液中のアルギン酸量は33.5g/100g となり, その平均分子量は2万まで低下した. (2) 浸漬液および藻体中の水溶性アルギン酸塩のうち, 分子量10万以下の低分子アルギン酸塩の占める割合も水, 水+醤油, 水+醤油+酢酸, 水+酢酸の順で多くなり, 水+酢酸で2時間以上加熱するとほとんどが分子量10万以下になった. (3) 同じ酢酸濃度でも醤油 (食塩) が共存すると水溶性アルギン酸塩生成量はほとんど同じであったが, 平均分子量の低下は抑制された. (4) 日本人のコンブの調理加工法を考慮すると, 分子量10万以下の低分子アルギン酸塩は日常的に摂取されているものと考えられる.