日本独特の調理であると考えられるすりゴマの調理性を明らかにするために, 本報ではゴマ種子の炒り条件による成分変化を検討した.焙煎温度は 170℃, 200℃および230℃とし, 時間は1分から20分の各温度につき4通りとした.170℃20分, 200℃5分および230℃5分焙煎したゴマ種子の重量, 色調はほぼ同じであった.総食物繊維量は170℃15分, 200℃10分, 230℃では5分をピークに減少した.セサミンやセサモリン, アミノ酸も加熱とともに減少した.また呈味に関係する遊離アミノ酸および遊離糖も次第に減少した.官能検査から170℃15分で焙煎したゴマの味の評価が高く, 炒りゴマとして総合的に好ましいことが明らかになった.