κ-カラギーナン (C : 0.9~2. 7% (w/v)) とアルカリ処理ゼラチン (G : 4. 0~12. 0% (w/v)) を1 対3, 1対1, 3対1の割合で混合したゲルの昇降温 DSC (曲線), 動的粘弾性, 破断特性について測定を行い, 次の結果を得た. (1) ゼラチンの混合割合の高いC-G (1 : 3) 混合ゲルでは高温部と低温部の昇降温DSC曲線のピークが重なり, κ-カラギーナンの混合割合の高いC-G (3 : 1) 混合ゲルでは, 高温部と低温部の昇降温DSC 曲線のピークが明確に分離した. (2) 混合ゲルの貯蔵弾性率の測定結果から, すべての混合ゲルで, 混合によるゲル化の相殺作用がみられた. (3) 高濃度のκ-カラギーナンとゼラチン混合系において, ゼラチンの混合割合の高いC-G (1 : 3) 混合ゲルの破断応力, 破断エネルギーは混合により増加し, 反対に, κ-カラギーナンの混合割合の高いC-G (3 : 1) 混合ゲルでは, 混合によりすべての混合ゲルで破断特性値は減少した. (4) κ-カラギーナンの混合割合の高いC-G (3 : 1) 混合ゲルの破断特性を発現させる構造は, 主にκ-カラギーナンによって形成されると考えられた.