乳幼児の靴設計の基礎資料として, 当初歩き始めの子どもを対象とする足部計測を縦断的に行った.計測項目は, 足長, 足幅, 足囲, 足高, 足首囲, 身長および体重である.前半の1年間は4カ月ごとに4回, さらにその1年後に5回目の計測を行った.第1次計測時における対象者は207名であり, 5回すべて計測を行った対象者は80名, 第1次から第5次までの延実数は778名であった.主な結果は次の通りである. (1) 全778名の計測値から, 足長は身長と, 足囲は体重と最も相関が高く, 足部項目間にも比較的高い相関が認められたが, 足高は他との相関が低いことが明らかとなった. (2) 80名を対象とする縦断的考察から, 各部位の成長の様態が異なることが認められた.特に足高においては2年間変化が認められず, また, 当初各部との相関が低いが, 次第に相関を示すようになった. (3) 因子分析結果より足部形状を表す因子として, 第1因子 : 身体的成長を表す因子, 第2因子 : 足部サイズを表す因子, 第3因子 : 出生時の体格を表す因子, 第4因子 : 足部形状を表す因子が抽出された. (4) クラス.ター分析によって, 全例を3群に分類することができた.第1クラスターは足高が低いタイプ, 第IIクラスターは体格の割に足囲の細いタイプ, 第IIIクラスターは足高・足囲の充実したタイプと解釈した.特に第IIIクラスターの出現率が月齢と共に高くなることが本実験の被検者にみられた.縦断的に観察した80例の属するクラスターが成長過程で変化するものが多いことが判明した.改めて, 歩き始めからの2力年間における足部形状の成長変異については, 身体的成長とかかわって個別に特徴ある成長をみせることがわかった.