高齢社会となり, 老後の家庭生活を夫婦ともに充実させるためには, それぞれが自立した生活ができることが必要である.最近は, 性別役割分担意識が薄れてきているといわれるが, 実際に男性は家事行動をどう意識し行動しているのかを調査し, 男性が家事行動を余暇として意識するかどうかを探ろうとした.調査は, 北海道帯広市に在住の男女554名について質問紙による自己記入法により実施した. (1) 男性で35歳未満の者は, 買物, 食事作り, 食事の後片付けなどの家事行動をする者が多かった. (2) 男性で65歳以上の高齢者は, 実際の家事行動はしないとする者が多かったが, 食生活の充実にお金や時間をかける傾向がみられた. (3) 料理することが好きという意識には, 料理することが苦にならず, 買物をすることでストレスの解消になり, テレビで料理番組を見たり, 親に料理作りを教えてもらったりすることがあるということなどが関連していた. (4) 男性の中には買物や食事作りを楽しんで行う者があり, 家事を余暇として楽しむ傾向があると考えられる.将来, 家事行動を余暇として行う男性が多くなるであろうことが予想された.