10%レベルのカゼインまたは分離大豆タンパク質を含む飼料に0.3%のメチオニン, 25%レベルのカゼインまたは分離大豆タンパク質を含む飼料に0.75%のメチオニンを添加し, 血漿のコレステロールと遊離アミノ酸に及ぼすメチオニンの影響をコレステロール非添加, 添加の条件で検討した. メチオニン添加による血漿コレステロールは, 10%または25%カゼイン飼料, 25%分離大豆タンパク質飼料では変動を示さなかったが, 10%分離大豆タンパク質飼料では有意に低下した.両タンパク質ともその含量に関係なく, コレステロール添加は血漿コレステロールを上昇した.しかし, その上昇はメチオニン添加で顕著に抑制され, その値はコレステロール非添加飼料と同じレベルであった.なお, コレステロール添加で生ずる血漿コレステロールの上昇は25%飼料に比べ10%飼料で顕著であった.コレステロール非添加の10%カゼイン飼料や10%分離大豆タンパク質飼料にメチオニン添加は, 血漿のスレオニンとセリンが低下し, タウリンが上昇した.このような血漿アミノ酸レベルの変動は, コレステロール非添加25%分離大豆タンパク質飼料にメチオニン飼料でも認められた.また, いずれの飼料でも, コレステロール添加は血漿スレオニンレベルの特異的な低下をもたらした.コレステロールを添加した飼料の場合, 10%のカゼインまたは分離大豆タンパク質を含む飼料にメチオニンの添加は, 血漿のスレオニンとセリンの低下, タウリンの上昇をもたらしたが, 25%のカゼインまたは分離大豆タンパク質を含む飼料へのメチオニン添加による血漿遊離アミノ酸の変動は小さかった.