処理法, 抽出温度が異なるゼラチンを用いてゾルの冷却条件がゲルの破断特性に及ぼす影響について研究した結果を要約すると次の通りである. (1) ゾルの凝固点で攪拌したゲルは, 静置状ゲルより破断応力は低下した.その値は, A, A'は, B, B'よりも高かった.破断歪はいずれの場合も一定であった. (2) ゾルの冷却温度の低下に伴い, ゲルの破断応力は高くなった.破断歪は, 冷却温度が15, 20℃と高くなるに伴い, B, B'は低い値となった. (3) 10℃のゲルの破断応力は, 緩慢冷却の方が急速冷却より高い値となったが.冷却時間を同一にすると急速冷却の方が高い値となった.破断歪は, 急速冷却した10℃のゲルでは, B, B'が顕著に低くなった他は, 大差は認められなかった. (4) ゾルの冷却時間の経過に伴い, ゲルの破断応力は漸次上昇し, 24時間でも平衡状態には達しなかった.破断歪は, 1~8時間までは, ほぼ一定の値を保ったが, 24時間以上冷却した場合には, 下降傾向を示した. (5) ゲルの組織を電子顕微鏡で観察した結果, 網目構造の存在を確認した.その網目の密度は, 冷却時間が長くなると密になった.