平組紐の伸長, 曲げ, 表面, 圧縮および構造特性や肌触り, こし, 締め易さ, 結び易さの官能的特性が紐構造や繊維の種類を変えることにより研究された.代表的な組として復竹組と遠州組が選ばれ, 素材として絹, プロミックスおよびピエロンが使用された.力学的特性値はいずれも紐構造の影響を受け, しかも二つ (伸長回復率と圧縮特性の直線性) を除いては繊維の種類によっても影響を受けた.力学的性質は伸縮性, こし, 嵩高性や表面粗さとの関係で検討された.力学的性質と官能的性質の因子分析から, 肌触りと締め易さは主に伸長および表面特性, 厚さと関係し, こしや結び易さは曲げ特性と密接に関係することが示された.