日本においては, 「家族関係」のなかの祖父母・孫関係は重要である.しかしながら, まだ, 祖父母・孫関係の現状については十分知られているとはいえない. 本稿では, こうした祖父母・孫関係をとりあげ, 北陸地方の一都市における実情を報告しようとするものである. 第1報では, これまで, 祖父母・孫関係をとりあげた研究のいくつかをとりあげ, 諸知見を整理した.そこから, まず, 「祖父母・孫」関係の把握のしかたを, (1) 物的接触状況, (2) 情緒的側面の接触状況, (3) 祖父母についての知識・老人への一般的認識の各側面からみることにした.また, 「祖父母・孫」関係のありかたを規定する要因について, 11の規定要因をとりだした. さらに, 別居している祖父母・孫の交流の実態と交流を規定する要因について, 調査結果から報告した.