(1) ビタミンD2の生成は日光より紫外線照射の方が数倍効果的である.使用したキノコの中ではエノキタケが最も多くビタミンD2が生成され, 2時間の紫外線照射で約2,000IU/g (乾物), 30分で約1,500IU/g (乾物) であった. (2) ビタミンD2強化エノキタケを作るため, 生産レベルでの照射を想定したモデル実験では30分の照射で500IU/g (乾物) のビタミンD2が生成され, 実用化には培養のプロセスから考えて, 30分位が適当と思われた. (3) 紫外線照射しビタミンD2が生成されたキノコを乾燥するとビタミンD2は約10%減少するが, 十分にビタミンD2供給食品として利用できる. (4) 日光や紫外線照射により生成されたビタミンD2は保存中に減少はするものの, 乾燥キノコの場合は6カ月保存しても約80%残存しており, 比較的安定であるといえる. (5) 紫外線照射後乾燥したビタミンD2強化エノキタケをビタミンD2強化食品素材として利用することが期待できる.