米粉蒸しカステラにオカラを置換することにより老幼者向けの好適製品を作る目的で, 基本配合比 (米粉1 : ショ糖1 : 鶏卵1.7 : 蒸留水0.3) において米粉を粉末オカラに, さらにショ糖をオリゴ糖に, 蒸留水を清酒に代替して試作し, その性状, 嗜好および保存性について検討し, 次の結果を得た. (1) 米粉蒸しカステラの粉米オカラの最適置換量は20%であり, 膨化率が高く気孔は均質で軟らかく食物繊維, 粗タンパク質, 粗脂肪の含有量も若干高かった. (2) オカラの粒度の相違では粗粉末製品は微粉末製品に比し, 膨化が良好で色調も優れ, 嗜好的にも好まれた. (3) 粗粉末オカラ20%置換製品へのオリゴ糖の好適置換量は25%で, 甘味は控え目であったが, 水分含有も多くしっとりとした食感で, ショ糖100%製品と比べ有意差は認められなかった.HPLC分析による製品の糖の成分物質はフラクトオリゴ糖のGF4, GF3, GF2, raffinose, sucrose, glucose, fructose を分離・定量した. (4) 粗粉末オカラ20%置換製品の清酒置換の影響は膨化率が高く, 海綿状組織が脆弱なものとなり, 官能評価も優れ, カビ発生の防止効果があることを認めた.