紫色系パッションフルーツ果汁中のプロテアーゼの特性について検討し, 以下のような結果を得た. (1) 本酵素の最適pHは3.0で, pH4.0以上では急速にその活性が低下した.また, 最適温度は50℃であった. (2) 果汁を-18℃で凍結貯蔵した場合, 16週間まで活性がよく保持された.また, 果実を+5℃で冷蔵貯蔵した場合, 過熟するに従い, 活性の低下が認められた. (3) 本酵素の卵アルブミンに対する分解は限定的で, 分子量39,000へ分解された後, それ以上の分解は認められなかった.また, 本酵素を1時間筋肉タンパク質に作用させたときの分解活性をヘモグロビンと比較すると, 筋漿タンパク質に対する分解活性はヘモグロビンの約63%で, 筋原繊維タンパク質では約11%であった.