(1) 昭和61年から62年にかけて, 愛知県下で購入した持ち帰り弁当56個に含まれる栄養価を「栄養分析ソフト」を用い, 四訂食品成分表に基づいて求めた.弁当に含まれる栄養素を20歳日本人女子の栄養所要量 (1日の1/3) と比較検討した. (2) 56個の弁当の栄養所要量に対する充足率は, エネルギー, タンパク質などは充足していたものの, 無機質, ビタミン類の充足率は低かった.とくにカルシウム, 鉄, ビタミンAを充足している弁当は, 2, 3個にすぎなかった. (3) 弁当に使用されている食品数は, 14.7種類とかなり多いものであったが, 六つの基礎食品に分類してみると一, 五群に偏っており, 二, 三群に属する食品の使用はきわめて少ないものであった. (4) 持ち帰り弁当を選択するさいには, より多数の食品が使用されているものを選び, かつ二, 三群の食品を用いた一品を追加して利用すると微量栄養素も摂取できるようになる.