本研究は, 閉経後骨粗鬆症モデルラットの骨代謝に対する自由運動およびswimmingの効果を検討した. 体重約1309の6週齢, SD系雌ラットに卵巣摘出術を施し, 非運動群を対照にswimming群および比較のために, 回転車による自由運動群に分けた.さらに, swimming群は31群に分け, それぞれに1日あたり10分, 40分あるいは70分間のswimmingを負荷をした.飼料は固形食 (L2%Ca, 0.96%P) を用い, 水道水とともに自由摂取させ, 125日間飼育した. その結果は以下のとおりである. 1) 卵巣摘除ラットの骨破断エネルギーおよび骨塩含量が, 自由運動およびswimmingにより改善される傾向を示した. 2) swimmingによる骨代謝改善効果は, 1日あたり10分, 40分, 70分で時間による差は認められなかった. 以上より, 運動量は少なくても, 毎日の適度な運動が骨代謝改善に有効であることが示された.また, 適度なswimmingによる筋肉の骨への刺激は, 足における重力の負担を避けたい高齢者の骨代謝改善に有効であることが示唆された.