Schefféの単位格子方格法を参考にして材料の配合割合を決め, 低タンパク小麦粉を用いたクッキーを調製し, それらの特性を検討した. 1) レオメーターを用い, かたさを破断応力として求めたところ, 低タンパク小麦粉を用いたクッキーは, 普通小麦粉を用いたクッキーに比し, 破断されやすく, マーガリンの配合比が低く, 砂糖の配合比が高くなるほど, かたいクッキーになる傾向が認められた. 2) デジタルカラーメーターを用いて, クッキーの焼き色を測定した結果, 低タンパク小麦粉を用いたクッキーは, 普通小麦粉を用いたクッキーに比し, 白色度, 明度は高値を示した.また, 低タンパク小麦粉の割合が高いクッキーほど, 白色度, 明度ともに高値を示した. 3) クッキーの吸水率は, 低タンパク小麦粉を用いた場合のほうが普通小麦粉を用いた場合より高値を示し, 小麦粉の割合が同一の場合, 砂糖の配合比の高いものほど, 高値を示す傾向が認められた. 4) 低タンパク小麦粉の割合が, 40% と 50% のクッキーについて, 順位法を用いて官能検査を行ったところ, いずれも, 格子点 (2) (マーガリン, 砂糖, 卵の配合水準, 0, 1, 0) のクッキーの嗜好性が低値を示した以外, ほとんど嗜好性に差は認められなかった.エネルギー供給という面と比較的嗜好性が高値を示したという面から考えると小麦粉の割合が40%の格子点 (4) (マーガリン, 砂糖, 卵の配合水準 2/3, 1/3, 0) のクッキーが今回調製したもののなかでは最も利用目的に適したクッキーと考えられた.