前報で海藻脂質中に抗酸化性が存在することを報告した.今回は, この活性物質の構造についてさらに検討をするため青のりから脂質を抽出し, カラムクロマトグラフィー, HPLCを用いて活性区分の分画精製を行い, 1H-NMR, 13C-NMRおよびFAB/MSでその構造解析を行った.その結果は以下のとおりである. 1) シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分画するとエーテル : ヘキサン (1 : 1, v/v) で溶出する暗緑色区分 (フラクション6) とエーテル : ヘキサン (4 : 1, v/v) で溶出する緑褐色区分 (フラクション7) に強い抗酸化性が認められた. 2) 分光光度計で最大吸収波長 (λmax) を測定した結果, 667nmであった.このことからF6-2はフェオフィチンaであると推定された. 3) 単離精製したフラクション6-2を1H-NMR, 13C-NMRおよびFAR/MSを用いて分析した結果, 青のり脂質中のおもな抗酸化性物質はフェオフィチンaと同定した.