0~60, 60~100,100~150,150~200,200~250,250メッシュ以上の6段階に飾別した米粉を使用して団子を調製し, 粘弾性測定と官能検査を行い, 以下のことが判明した. 1) 米粉の粒子が細かくなるに従って, 団子調製時に必要な加水量が増加した.上記の各区分の最適加水量は粉1009に対して, それぞれ 65~70, 70~75, 75~80, 80~85, 85~90, 90~95mlであった. 2) 塑弾性体の弾性率を例外として, すべての粘性率, 弾性率は米粉の粒子が細かくなるに従って減少した.また塑弾性体の弾性率は逆に増加した. 3) 団子の官能評価では, 粒子の粗い順に硬く, 歯切れがよい, そして粒子の細かい順に粘りがあり, 舌ざわりがよいと判定され, 評点もこの順に高くなっていた.とくに, 硬さの項目はケンドールの一致性の係数が1であり, しかも全サンプル間に有意差が認められ, パネルにとって判定しやすい項目であった。しかし弾力は一致性の係数が0.30と低く, 団子のような試料に対しては判定しにくい項目であった. また, 団子は100~150および150~200メッシュの粉で調製したものが好まれることが判明した. 4) 粘弾性測定値と官能検査との相関分析から, 硬さと粘りはすべての粘性率, 弾性率と高い相関 ( r =±0.92~±0.97) を示し, 歯切れはフック体の弾性率, フォークト体の粘・弾性率と正の相関 ( r =0.93, 0.93, 0.92) を, また塑弾性体の弾性率と負の相関 ( r =-0.92) を示すことが, そして舌ざわりは塑弾性体の弾性率以外の相関係数と負の相関 ( r =-0.92~-0.91) を示すことが明らかとなった.また, 弾力も座標軸変換によりフック体の弾性率および二つのフォークト体の弾性率とかなり高い相関 ( r =0.81, 0.81, 0.81) を示すが, 実際には弾性率が約6.3×105dyne/cm2を超えると, 弾力は減少することが判明した.