大豆から抽出したタンパク質を酵素処理して得られた大豆ペプチドは吸収が速く,多くの生理活性を有することが期待されている.本研究では,肌弾性力や肌水分量を増加させると報告されているコラーゲンペプチドに大豆ペプチドを混合した試験飲料を用いて,両ペプチドの併用が皮膚機能に与える効果についての介入試験を実施した.被験者は健康な成人女性とし,試験飲料は大豆ペプチドとコラーゲンペプチドの混合とし,対照飲料は試験飲料と総ペプチド含有量がほぼ同量のコラーゲンペプチド単独とした.70 日間の摂取前後で,肌弾性力,水分量,経皮的水分蒸散量(TEWL)を測定した.試験飲料と対照飲料との間に3 項目とも統計学的な差はみられなかったものの,大豆ペプチドとコラーゲンペプチドの同時摂取群では,摂取後の肌弾性力が摂取前に比べて有意に増加した.また,同群では摂取後のTEWL が摂取前に比べて有意に減少した.一方,対照群では摂取前後で肌弾性力とTEWL に有意差を認めなかった.大豆ペプチドをコラーゲンペプチドに加えると摂取後に肌弾性力と肌のバリア機能が改善する可能性が示唆された.