20年間の正月の外食状況を把握し, 今後の食文化の継承を考察するために, 三が日に喫食した料理を記録調査し, 外食率, 外食料理出現頻度, 外食の理由について検討し, 以下のような結果を得た. (1) 1986~2005年の正月の外食率は7.3~16.5%となり, 経済的な景気変動の影響を受けながら日常の外食率と同様の推移を示した. (2) 4観測年 (1986年, 1992年, 1998年, 2004年) の外食率について, 観測年間, 大分類料理間に有意な差が認められ, 三が日間, 理由別分類には有意差がなかった. 三が日内の外食の変化率は観測年との間に指数関数的な相関関係があった. (3) 外食における雑煮やおせち料理は元日に喫食しているが, その出現頻度は少なく, 正月料理以外の主食や副食の料理が多かった. (4) 外食の理由と料理の関係から3つのクラスターに分けられ, 特徴がみられた. 第一のクラスターは初詣や娯楽のために外出したついでの外食で, 主食を中心とした料理, 第二は旅行や新年会で新年の祝い事としての外食で, 主食と副食を合わせた料理, 第三はアルバイトの時の食事で, 日常食と類似した種々の料理があげられた.