塩化ナトリウム (NaCl) 共存下での寒天, κ-カラギーナンとジェランガムのゾル-ゲル転移について, 熱および力学測定を行い検討した. 昇温および降温測定における寒天の貯蔵弾性率 ( G '), 損失弾性率 ( G ") とDSC曲線はNaClの添加により僅かに影響を受けた. κ-カラギーナンおよびジェランガムでは, NaClの存在下で G 'と G "は増加し, DSC曲線は高温側にシフトした. ゲル化の促進がκ-カラギーナンよりもジェランガムにおいて顕著に認められたことより, κ-カラギーナンとジェランガムのNaClの共存下での熱および力学的挙動は分子の電荷密度のみで決定されるのではなく, ゲル化のメカニズムの相違によっても強く影響を受けると推察される.