概念階層に関する重要な心理学的知見に典型性効果がある. これがもたらす心理現象としては, ある概念 (上位概念) に属するインスタンス (下位概念) を列挙させると典型的なインスタンスほど先に想起されること, あるインスタンスがある概念に属するかどうかを判断させるとそのインスタンスが典型的であるほど判断時間が短くなること, などが知られている. 本研究では, 典型性効果の理解への第一ステップとして, 典型的なインスタンスほど高確率かつ高速に想起する神経回路モデルを提案する.