本研究では, はずみ運動を用いた下肢におけるSSC運動の遂行能力の評価法を作成し, この能力と高齢者が大きな歩幅で歩くための歩行能力との関係について検討した. 93歳の高高齢者を含む高齢者8名に, 典型的なSSC運動であるはずみ運動とリバウンドジャンプを実施させるとともに, 自由歩行, 大股歩行および最大努力による大股歩行を実施させ, 運動フォームや地面反力の特徴について比較検討した. その結果, はずみ運動は, 鉛直成分の力からみると, 過負荷と安全性の両原則を満足させながら, 高齢者のSSC運動の遂行能力を評価する運動であるとともに, 高齢者が歩行するために必要な下肢の能力も反映する可能性が認められた. これらのことは, 今後SSC運動を用いない運動と歩行能力との関係を検討し, 歩行中の水平成分の力を考慮したSSC運動の遂行能力を検討することによって明らかになると思われる.