記入面一体型ディスプレイ, 特に一体型平面ディスプレイは, 画像入力・編集操作性の点から期待を集めているが, その操作性は, 記入点とそれに対応する見かけ上の表示点との視差により大きく影響されると考えられる.本論文では, 記入操作性と視差との関係解明のための基礎資料を得ることを主目的に, 平行な記入・表示面を有する一体型ディスプレイ上で生じ, 感覚受容の対象となる視差の構成要素として “視距離誤差比”, “視線入射角誤差”, “視差平面角” を採り上げ・これらと面間の厚さ・屈折率, 観視位置との関係を, (1) 記入点の垂直下を実際の表示点とする場合, (2) 予想される観視位置条件から視線入射角誤差を補正した場合, (3) 補正後に観視位置条件が変化した場合, について幾何光学的に数値解析し, 視差の基本構造を明らかにするとともに, 今後有望な記入面一体型平面ディスプレイの設計指針を提供している.