フレーム間符号化等ですでに開発されている動き補正技術を応用した動き補正型ノイズリデューサについて述べる.ノイズリデューサのフレームメモリーの出力信号に動き補正を加えることにより, 現入力信号とそれ以前の信号との間の位置ずれをなくすことができる.したがって, 動き補正型ノイズリデューサにおいては, 従来型のノイズリデューサで問題になっていた, 動きエッジ部の動きぼけあるいはノイズの残留等を防ぐことができ, 良好な画質を得ることができる.動き補正フレーム間符号化の実験装置を改修することにより, 実時間で動作する動き補正型ノイズリデューサの実験機を製作した.その結果, 動き補正をノイズリデューサに導入することの有効性が確かめられた.なお, 実用装置を製作する場合の従来方式のノイズリデューサに比べた回路規模の増大はわずかである.