従来, 磁気記録機構は, 主に, x 成分の磁界と磁化によって, いわばスカラ的に述べられて来た.しかし, ヘッド磁界を印加した瞬間の磁化分布を, 本来のベクトル磁化および従来のスカラ磁化のおのおのについて減磁界も考慮して電子計算機で求めた結果をくらべると, 両者の間にきわめて興味ある関連性が見出せる.この関係は, 両者のエネルギー関係からも説明でき, これを用いれば比較的計算の容易なスカラ磁化を基礎にして, 記録再生機構が定量的に説明できる.本報告では, この関係を用いて短波長領域における記録再生特性を定量的に明らかにした.