最良近似の問題は, 非線形問題のひとつとして, 逐次計算法によって解くことができるが, 逐次計算法の重要な過程である変数の補正量を求める方法として, 変数の数に等しい個数の連立一次方程式を解くことを中心とした方法について述べる.この方法は, 必要とする計算機の記憶容量が, 他の方法にくらべて小さいので, 小形の電子計算機による回路設計に有用である.応用例として, カラーテレビ遅延等化器の設計を示す.