色彩と感情の問題は対象感情として古くからとりあげられている.これは美的効果に端を発するものと, 見かけの判断への色彩の影響という問題に端を発するものとに大別できるが, 美的効果から生じた感情の問題のほうがより複雑であるといえよう.色彩と感情の問題は, これまでの一次元的な検討のしかたから徐々に多次元的検討へと移っているといってよいであろう.ここではこれらについての解説を中心とした.