映像機器をトランジスタ化する主目的は, 機器の信頼度向上, 小形軽量化, 電源能率向上などであると考えられる.この中でも信頼度向上が最も重要であり, トランジスタ機器の信頼度を向上させるためには, なによりもまずトランジスタの使用法を適正にする必要がある.真空管回路とトランジスタ回路を比較した場合は, 温度特性に大きな相違が鼻, られる.トランジスタの動作は, 本質的に温度によって左右されるので, トランジスタ回路の設計にあたっては温度に対する考慮が最も重要である.