3種類のハーブエキス(セイヨウカノコソウ,サラシア,ブラックコホシュ)の肝シトクロムP450(CYP)に対する影響をマウスの in vivo 実験ならびに肝ミクロソームを用いた in vitro 実験で検討した.セイヨウカノコソウでは肝CYPに対する影響は認められなかった.ブラックコホシュでは4.5%まで投与量に依存した肝臓重量の増加,総CYP含量とCYP(2B,3A)活性の上昇が認められた.サラシアでは in vitro においてCYP1A2活性の阻害, in vivo の4.5% の投与条件における体重増加の抑制と総CYP含量の低下,CYP(1A1,2B,2C)活性の上昇が認められた.以上より,ブラックコホシュとサラシアの過剰摂取条件では肝CYPを介した医薬品との相互作用の可能性が考えられた.