4種擬似溶媒(水,4% 酢酸,20% エタノールおよびヘプタン)を用い,合成樹脂製食品用器具12樹脂71検体の蒸発残留物量を調査した.測定は規格試験法に準じて行った.定量限界は5 μg/mLであった.ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,アクリロニトリル・スチレン樹脂,アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリメチルペンテン,ポリメタクリル酸メチルおよびポリエチレンテレフタレート製品では,蒸発残留物量はヘプタンの場合が最も高く,その他の溶媒は非常に低かった.一方,メラミン樹脂およびナイロン製品では,4% 酢酸または20% エタノールの場合が最も高く,ヘプタンが最も低かった.この結果,合成樹脂の種類別に最適な溶出溶媒の選択が可能となり,迅速かつ効率良く試験を行うことができるようになると考えられた.