ウロン酸含有増粘多糖類の構成糖組成比をGC分析する方法を検討した.単糖にジエチルジチオアセタール化とTMS化を施してGC/MSで分析する既報の方法の反応スケールを5倍にし,さらに溶媒抽出を用いた調製法に変更し,操作性と再現性を向上させた.多糖類7品目を加水分解し,改良操作法により誘導体化してGC/FIDで分析した.構成糖の誘導体をクロマトグラム上でいずれも単一のピークとして検出し,互いに分離することができ,同定と定量が可能であった.構成糖の種類と含量比から7品目を区別することができた.さらに加水分解反応の最適化を試みたところ,グルクロン酸は中性糖よりも加水分解に時間がかかることが示された.品目間の識別は6時間の加水分解で十分であるが,構成糖組成比の精密な比較を行う場合には,構成糖ごとに加水分解時間の最適化を行う必要があると考えられた.