標準照射にX線を利用した熱ルミネッセンス(TL)法による照射食品検知法を検討し,その検知法の単一試験室における妥当性確認を行った.照射食品の検知に使用できる小型のX線照射装置を開発し,コバルト60ガンマ線による標準照射の代替となるX線の照射条件を明らかにした.妥当性確認には,ガンマ線照射した香辛料を試料として用いた.検出限界値および発光量の下限値を測定し,香辛料からの鉱物質の分離を確認した.新たに開発したX線照射装置を含む2台の装置を用いて得られた香辛料のTL比に有意差がないことを明らかにした.また,測定者,X線照射装置,測定日を異にしたTL比の室内再現精度および併行精度は,有意差が認められなかった.