本研究では,香辛料におけるサルモネラ汚染があった場合,汚染品の使用が食中毒発生につながる可能性があるかを検討するために,香辛料中でのサルモネラの生残性およびそれらを添加した調理食品中での増殖性について調べた.ブラックペッパーおよびレッドペッパーにおいて,それら香辛料由来の S . Weltevredenおよび S . Senftenbergは S . Enteritidis よりも生残性が高かった.タマゴサラダおよびナムル中で,サルモネラは10℃保存では増殖しなかったが,30℃保存では24時間で著しく増殖した.今回の結果から,加熱調理後の食材を和える際に香辛料を添加する調理食品の保存は,温度や時間に注意が必要であることが明らかになった.