平成14年産(前年産)市販玄米100検体と平成13年産政府保有備蓄玄米15検体の真菌フローラを平成15年4~6月に試験した.前年産米では,真菌が着生している米粒の割合が 20% 以下の検体が大部分であったが,備蓄米では好乾性真菌が 80% 以上の米粒に着生している検体が半数を超えた.前年産米に着生していた真菌は, Penicillium, Alternaria 属のものが多く,備蓄米では, Aspergillus, Penicillium, Eurotium 属のものが多かった.マイコトキシン関連真菌として P. islandicum, A. versi-color, A. ochraceus などを分離した. P. islandicum は,国産米から分離されることは珍しいとされるが,3検体から分離され,うち1検体では 82% の米粒から検出された.HPLCの結果から分離した P. islandicum は,すべてルテオスカイリンを産生する可能性があることが示唆された.