イオントラップ型LC/MS/MSによる加工食品中のアクリルアミド(AA)の定量を検討した.重水素化アクリルアミド(AA- d 3)を内部標準に用いたAA標準溶液のMultiple Reaction Monitoring (MRM)測定では,AA濃度が2~20,000 ng/mLの範囲で,各プロダクトイオン( m/z 55, 58)のクロマトグラムにおけるピーク面積の比(AA/AA- d 3)とAA濃度との間に良好な直線関係を確認することができた.また,定量限界は2 ng/mLであった.市販食品37検体の実態調査を行った結果,ポテトスナックから最高3,570 ng/gのAAを検出したほか,熱処理した多くの食品からAAを検出した.イオントラップ型LC/MS/MSを用いたAAの定量分析は,多くの食品試料に対して相対標準偏差(RSD) 15%未満の分析値を得ることができた.