無毒養殖クサフグ稚魚に結晶TTXを30日間経口投与し,その後170日間無毒飼料で飼育した.この間経時的に5尾ずつ採取し,各組識の毒量を測定した.1尾当たりの総毒量 (各組識の毒量の合計) は飼育日数60日目までは90 μgで投与毒量(180 μg/尾)の約50%であった.80日目には54 μg (30%)に減少したが,その後200日目までほとんど変化しなかった.肝臓の毒量は30日目には40 μgと総毒量の45%を占めていたが,その後減少し200日目には5 μg (10%)程度になった.皮の毒量は50日目に最高値30 μg (30%)に達し,それ以降変化しなかった.精巣には毒はなく,卵巣は未熟ながらその重量の増加とともに毒量は増大した.実験魚は1尾の例外もなく毒化した.