鶏組織(肝臓,筋肉,脂肪)中に残留する抗コクシジウム剤(ジクラズリル(DCZ)およびナイカルバジン(NCZ))の簡昜分析法を開発した.試料をアセトニトリルで抽出し, n -ヘキサンで脱脂した後,この抽出液を減圧乾固して得た残留物にアセトニトリル-メタノール(1 : 1)混液1.4mLを加えて溶解した.その溶液に先の混液で飽和した n -ヘキサン 1.0 mL および水 0.6 mL を順に加えて液-液分配を行った.下層中の DCZ および NCZ をHPLC で測定した.DCZ および NCZ を,肝臓に 3.0, 0.2 μg/g, 筋肉に 0.5, 0.2 μg/g, 脂肪に1.0, 0.2 μg/g となるように添加し,回収実験を行った.DCZおよびNCZの回収率は92.0~95.6%, 87.3~89.4% であった.