食品などの大腸菌群検査や糞便性大腸菌群検査(EC試験)では,ガス生産が重要な判定基準の1つになっている.その判定法は発酵管としてダーラム管を用いて,管内に貯留したガスを観察する方法が一般的である.しかし,その方法は微量ガスや管内の沈殿物などによる白濁により判定が困難な場合もある.そこで,繊維が水中で気泡を良く付着させることに着眼して,簡便で精度良くガスを検知することができる発酵管として,繊維束管(Tsunoda式発酵管)を考案した.本発酵管は培地調製時の脱気が容易で,微量な産生ガスをも明瞭にとらえることができた.その結果,本発酵管はダーラム管に代わる高感度で,判定も容易な産生ガス検知法であることを確認した.