品種(系統)が明確な遺伝子組換えトウモロコシの穀粒及び非組換え穀粒について,PCRを用いた品種(系統)特定型の検知法を利用し,当該穀粒で表示されている品種(系統)と,実際の検知結果の差異について検討した.その結果,Bt11では100粒中11粒で,Event176では,30粒中5粒で表示と異なった組換え品種(系統)の遺伝子が検知された.また,非組換え品種では,30粒中4粒から組換え品種の遺伝子が検知された.したがって,他殖性のトウモロコシでは,穀粒では表示と異なった非意図的組換え遺伝子が検知される可能性があることが明らかとなった.また,定量PCRの結果より,GM遺伝子がホモで存在する粒の遺伝子型はすべて表示の組換え品種(系統)のもので,他の組換え品種(系統)の遺伝子はすべてヘテロな遺伝子型として観察され,これらの遺伝子が風媒により導入された可能性が非常に高いことが示された.