高速軽量な処理のために,検証済XML文書への問い合わせをコンパイル方式で行うXQuery処理系の生成系を設計・実現した.生成系はXQuery質問式とDTDを入力とし,XML文書の構文解析と問い合わせ処理を行うlex,yaccプログラムを出力する.プログラム生成とコンパイルの手間が増えるが,問い合わせに必要なXML文書の情報のみをXML文書解析時に保存することができ,処理時間やメモリを削減できる.XML文書中の異なる箇所からのデータの突き合わせを行う結合処理はXML文書木に対して処理を行う必要があり,コンパイル方式の処理だけでは十分な高速化を行えない.本研究では結合処理を同値比較と大小比較に分類し,同値比較にはハッシュ法,大小比較には二分探索法を用いて高速化を行った.実現した生成系を用いて実験を行い,コンパイル方式の処理がメモリ使用量の削減と処理の高速化に有効であることを確認した.