本論文では,情報理論からのアプローチにより,プログラム解析の困難さを定量化する.基本アイデアは,各命令が全くランダムにプログラム中に出現する場合に,プログラム解析が最も困難な状態であると考える.命令がランダムに出現するとは,(1) 各命令の出現頻度が等しく,かつ,(2) その並びに規則性がない状態であると考える.前者はエントロピー,後者はコルモゴロフ複雑性の概念を用いて定量化する.ケーススタディを通して,本提案の妥当性や今後の課題を考察する.