旧バージョンとの差分のレビューにおいてレビューアの経験とレビュー時間が欠陥指摘レベルに与える影響を分析することを目的として,ソフトウェア開発の実務者を対象とした実験を実施した.Javaで記述した既存のソースコード,4件の変更仕様,各々の変更仕様に対応するソースコード差分4件を対象とし,差分が変更仕様を満たすかどうかを被験者にレビューしてもらった.66名の被験者のレビュー指摘を3段階の指摘レベルに分類し,指摘レベルと被験者のレビュー時間との関係を調べた.また,65名の被験者の経験(プログラミング経験,対象ソースコードで使われているフレームワークの経験,レビュー経験) が指摘レベルに与える影響を分析した.レビュー時間と指摘レベルには統計的に有意といえる差はなかった.また,レビュー経験が指摘レベルに影響を与えていることがわかった.