インターネットは,定義通りネットワークのネットワークであり,複数の組織が自律分散的に相互接続し,ネットワーク運用・制御を行っている.このとき,各組織が個別最適となるよう運用・制御した場合,全体最適から乖離する可能性がある.本稿ではこの社会的ジレンマに関する研究や事例を紹介する.さらに,不要トラヒックのアウトバウンド制御が普及していない事例に関して,AS間の不要トラヒックペナルティ課金制度がこの問題を解決すること,さらにシミュレーションにより,この課金制度自体がASの接続関係を通じて自発的に導入されていくことを示す.