本論文では,ソースコードレベルで偽装内容を指定できるプログラムのカムフラージュ法を提案する.提案方法の使用者は,保護対象のプログラムの秘密情報が変更・削除されている「見せかけのソースコード」を作成するだけで,攻撃者が秘密情報を得るためのコストを増大させることができる.保護されたプログラムを静的解析したときに攻撃者が得られるコードには,見せかけのソースコードの内容と自己書換えを行うコードしか含まれていないが,実際には元来のソースコードの内容が実行される.プログラムに含まれる特定の命令やデータを静的解析から容易かつ確実に隠ぺいしたい場合や,プログラムの一部が抽出・再利用されることを防ぎたい場合において特に有効である.