分散システムに関する諸問題の1つである,サーバ配置およびサーバ選択問題におけるネットワーク構造の統計的情報の利用可能性について議論する.従来のサーバ配置,サーバ選択問題においては,使用可能帯域,遅延等に代表される動的なQoSを用いて系の安定性および効率性を追求してきた.しかしながら,既存の枠組みではネットワークの構造自身が提供する情報(静的QoS)を十分に生かしていない.本稿では,ASレベルインターネットトポロジを用いたシミュレーションを通じて,ネットワーク構造の統計的パラメータの一つである次数情報が,サーバ配置・選択問題の性能を改善する際に有用であることを示す.