帰納論理プログラミングとは,論理プログラムを用いた機械学習手法であり,構造化データからのデータ分析と知識獲得への応用が進められている.本稿では,計算の立場から学習という行為を捉えた上で,パラメータ推定と比較しつつ,論理プログラミングの理論と計算論的学習理論を基礎にして帰納論理プログラミングの基礎理論について解説する.そして,演繹的な推論によって定義される順序関係である精密化が,帰納論理プログラミングの学習アルゴリズムの設計と分析に威力を発揮することを詳述する.さらに,帰納論理プログラミングの最近の研究動向についても述べる.