並列プログラムを作成する難しさを緩和するため,頻繁に用いられる並列処理のパターンをあらかじめ実装しておき,そのパターンの組み合わせでプログラムを作成する「スケルトン並列プログラミング」が考案されている.プログラマは並列スケルトンと呼ばれる関数を組み合わせることによって,並列プログラムを容易に記述することができるようになる.しかし,並列スケルトンで書かれたプログラムは,必ずしも実行効率が良くないという問題点がある.本研究では,BMFという計算モデルに基づいた並列スケルトンライブラリをC++上に実装した.その上で,融合変換と呼ばれる,複数の関数呼出しを単一の関数呼出しに融合する手法を適用し,並列スケルトンで書かれたプログラムを最適化する機構を実現した.本論文では,並列スケルトンライブラリの実装を提案し,最適化の効果について報告する.