本稿では, 豊かで幸福な現代社会であるために, 知的財産活用による新事業, 新産業の創出を必須と考え, それらすべての基盤となる「知の生産」としての「産学連携」のメカニズムの建設に関する研究について述べる. そして, 産学連携学会が目指している産学連携の, さらなる発展の将来イメージについて概観するとともに, 検討中の課題や産学連携学会創設に託した種々の活動について説明する. 産から新事業創出までの産学連携プロセスの分類について説明した上で, 現代社会における知の意義と生産の在り方についても考察する. 最後に, 日本における産学連携学研究のテーマと課題, 産学連携学会の活動, 組織の将来イメージについて説明する.