本研究は, 友人の道具的行動と社会情緒的行動がストレス反応と課題遂行に及ぼす効果を実験的に検討することを目的とした。要因計画は, 2 (道具的行動の有無) ×2 (社会情緒的行動の有無) ×2 (正当性の高低) のデザインが用いられた。被験者は女子学生91名であり, 彼女らはそれぞれ親密な同性の友人 (サクラ) とともに実験に参加した。従属変数は, 生理的ストレス反応の指標として平均血圧 (MBP), 心理的ストレス反応の指標として状態不安, および課題遂行量 (単純計算) であった。正当性が高い友人の道具的行動は課題遂行を促進する効果をもった。一方, 正当性が低い友人の社会情緒的行動は, 道具的行動を伴わない場合に生理的ストレス反応を緩和する効果をもった。このような結果から, リーダーシップ過程とソーシャル・サポート過程との差異は, 正当性によって説明されることが示唆された。