開発途上国にトイレを整備することは、衛生環境の向上のために、重要な課題となっている。タイ王国北部の少数民族であるモン族の村において、日本のNGOが地域の環境に適合した形に工夫したトイレの改良工事に取り組んでいる。保育園のトイレでは、発酵槽から調理用のメタンガスを取り出すことが出来るために、同園の昼食用の炊事をまかなうことが出来る。また、発酵槽から遊出した水は、有機栽培の肥料として菜園として有効利用が出来る。多くの先進諸国が廃棄物として、大量のエネルギーを使いながら処理をしている人の屎尿を、環境を生かした資源として利用しながら、最終的には最小限のCO2排出にとどめるような形になっており、理想的な資源の循環モデルとしてさらに発展することが期待されよう。また、このような現地の取組について、現地を見学して体験することは、日本の堆肥利用の文化を考え直す機会にもなり、開発途上国だけではなく先進諸国の持続可能な発展に関する教育としても活用できると考えられる。